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スタジオクオンのスタッフブログ

十三参りの意味とお参りをやっているお寺の紹介

投稿日時:2011/02/21(月) 13:32

 きものの姿が幸福を招く

数え十三歳の少女の記念日
「十三参り」

数え十三歳の春に、知恵と福徳を授かるためにお参りをする「十三参り」。

初めて大人と同じ本裁ちのきものを着る機会でもあります。


「十三参り意味」

「十三参り」とは関東では聞き慣れない言葉かと思いますが、昔から各地方にあった行事です。
京都では男女とも十三歳になると神仏にお参りする通過儀礼、成人式の一つです。

生まれた年の干支が巡ってくるのが数えの十三歳。
京都は染織の町でした。今も高級なきものや帯を作っていますが、家の娘たちに着せるものは
早くから暇のあるときに用意しました。

手描き友禅染、型友禅、絞り染などの染め屋、帯屋、問屋がそれぞれの家業の見栄と自信をもって振袖や
小振袖を作り、それは華やかです。

十三参りの晴着は「本裁ち」とよぶ大人の女性と同じ寸法のものです。十歳前後はまだ四つ身裁ちとよぶ子供用の着物です。

この「大人の女のきもの」を着るところに意味があるのです。しかし、未成年ですから肩に「縫い上げ」をします。
若々しい肩の上に塗ってある「肩上げ」はアクセントにもなる若さの標です。そういえば舞妓さんの着物には
必ず肩上げが付いています。

ちょうど十三歳頃になると女子は初潮があります。地域によっては赤飯で祝うとかですが、関西では男女児ともに
成人の意味を込めて、十三参りの行事としたようです。

洛西嵐山の法輪寺は「虚空蔵菩薩」様で、知恵を授かるといいました。近年は宇宙のイメージもあり、美声、福徳も
授かるとか。三月十三日から二ヶ月間、祈祷会。京の町衆は家業の都合のよい日に出掛けました。

 春の嵐山、老若男女が着飾って行き交う渡月橋です。十三参りの帰りの子女は、渡りきるまでに後を振り返ると、
今授かった知恵を返すので、決して振り向くなと言い伝えがあります。今にして思いますと、この戒めは「脇見をしない、
よその人の晴着に振り向かない」、つまり「心を散らさないように」という言葉であったと思われます。

現代の成人式は二十歳ですが、女性としての自覚はもっと早くでないといけないのではないのでしょうか。
戦時中でも、十三歳には男女ともに学校から引率されて参詣に行ったそうです。

美しいきものを着るこの行事は、大人の女性として間違いのないようにと祈る親心が、十三歳の年回りに事寄せて、
春を楽しむ行事となったと思われます。

このときの晴着は、その後何度も着せてもらい、着物の着こなしの役にたちました。アルバムに残る写真は人生の
大切な記録です。


「十三参りの要望を受け付けているお寺」
関西方面では京都・法輪寺をはじめ、大阪市天王寺区・太平寺や神戸市長田区・長福寺、東北では福島県柳津町・
円蔵寺などが知られていますが、東京では浅草寺もおおよそ四十年前ほど前から人々の要望を受けて行っております。